宝石ルースの販売 「和み石」 “宝石バイヤー”さん買い付けのお店です

ホーム宝石買付け話 タイ 編
宝石買い付け話 タイ(後編)
⑪タイ5日目.その1
タイとミャンマーの国境ゲート  さてさてタイ5日目の朝である。今日は早起きして国境の町メーサイへと向かうのである。ここチェンライからメーサイまでバスで向かう。7時半ごろにホテルを出発、バスターミナルへと向かう。

 5分程でバス停へと到着し、メーサイ行きの切符を買おうとしていたら、突然、周りにいる人全員が、一斉にテレビの方を見る。立ち話をしている人は話をやめ、ベンチに座っている人は起立し、物言わずにテレビを注目する。何かと思い、見るとそこにはタイの国歌が流れていた。
 後で解かったのだが、タイでは毎日朝8:00と夕方6:00にテレビの全局や公的な場所では国歌が流れ、国民は皆起立して国歌を聞き入るそうである。今までホテルのテレビで流れているのを見たことはあったが、外でこのような光景を見たのは初めてであったので驚いた。そういえば、タイでは街中や幹線道路のいたるところにタイの国旗が掲揚され、各家庭や店々には国王の肖像画が飾られているのを見ることができる。今回、タイの人たちの自国への愛国心というものを改めて感じることができた次第である。

 さて切符を買い、メーサイへと出発である。チャンタブリの時の長距離バスと違ってクーラーのない普通バスであるが、窓は全開のため、少し排気ガスが臭いのを我慢すれば走っているうちは涼しい。途中検問が何度かあり、バスは何度か止められていた。ちなみに帰りには警官にパスポートを見せるように言われた。タイでは外国人旅行者は身分証明として必ずパスポートを携帯しなければならないため、旅行者はホテルにパスポートを置きっぱなしにしないよう注意が必要である。
1時間少々でメーサイのバスターミナルへと到着。すると皆ぞろぞろとソンテウへと乗り込んでいく。ここからメーサイ市街までソンテウで10分ほどで、1台のソンテウに10人以上が乗り込む。程なくして「○球の歩き方」に載っている国境ゲート(写真)が見えてきた。
⑫タイ5日目.その2
ヒスイの指輪や腕輪、置物などが売っていたお店  タイ国境の町メーサイである。ちなみにミャンマー側はタチレクといい、ビザがなくても1日だけ滞在することができる。ちなみに私は今回国境を越えられなかったが、今度来るときはぜひタチレクにも足を運びたいと思う。
 さてさてメーサイであるが、メインストリート沿いは土産物屋だらけで、他にレストランなどがある。実に様ざまなものが売っていて、民芸品や工芸品、服、食料品、化粧品そしてお目当ての宝石もたくさんある。とくにミャンマーとの国境ということもあって、ヒスイの指輪や腕輪、置物などがたくさん並んでいた。写真左は、その店のひとつである。

 メインストリートの両側を2往復程していくつか宝石を買ったのだが、そのうちのひとつがルビーであるが、いわゆるベルヌイ合成のルビーである。まあ最初からベルヌイ合成とわかって買っているので問題ないのだが、ひとつ驚いたことがあった。
 ベルヌイ合成ルビーに混ざって、それらとは明らかに違う石があった。肉眼では、実に天然ぽいインクルージョンのようなものが確認できる。しかしルーペで見ると、天然の液体インクルージョンとは雰囲気の異なるフェザー様のインクルージョンなのである。天然の2ctのルビーがこんな土産物店にあるわけがないし、フラックス合成のルビーかとも思ったのであるが、どうもフラックスのフェザーインクルージョンとも違うらしい。
 これは何かと尋ねると、店員はおもむろに合成ルビーをピンセットで摘み、綿を巻いて、ライターで火を付けた。ボワッと火がつき、あっという間に消えた。するとちょうど私が見ていた怪しげなルビーに変身した。そう、ベルヌイ合成ルビーの加熱処理である。

 これまで、写真((株)全国宝石学協会発行 「宝石 小宇宙を科学するⅠ」 P164,165 参照)では見たことがあったのだが、実際に見たのは始めてであったし、なによりこんな単純な方法で処理されるとは.....。
ベルヌイ合成ルビーの加熱処理前と処理後  以前に天然のブルーサファイアの加熱処理を見たことがあったが、結構大掛かりな装置であったし、危険を伴うものであった。また温度調節と加熱時間によっては微妙に出来上がりに影響するらしく、技術と経験が要求されるものであった。しかし合成をただ天然に似せるためだけの処理は、こんな簡単ものなのかと驚いた。
 写真右は、日本に戻って私がガスバーナーで焼いたものである。写真ではわかりにくく申し訳ないが、一見すると、肉眼では液体インクルージョンの様にも見えるため、他の合成法と共に注意が必要な石のひとつである。
⑬タイ5日目.その3
国境を行きかう人々  写真はタイとミャンマーの国境の橋。手前がタイで向こう側がミャンマー、橋の向こうにはミャンマーの国旗が見える。 橋の欄干にはタイとミャンマーの国旗が交互に掲揚され、人々がタイ側からミャンマー側へ、ミャンマー側からタイ側へと移動している。ちなみにミャンマー側タチレクには大きな市場があるそう。 タイの商人たちはそこで中国やミャンマーで作られたものを仕入れて、再びタイへ戻り、商いをするそうである。商魂たくましい人たちが、沢山荷物を担いで行き来していた。

 さんざん歩き回って夕方近くなり、そろそろメーサイの町ともお別れの時間となる。ソンテウに乗り、メーサイのバスターミナルへ。そこからチェンライ行きのバスへ乗る。
以前にも書いたが、この帰り道にバスが検問で止められた。バスのドアが開き、体格のいい警察官がバスへ乗り込んで来る。乗客を威圧するように、前から順に見回っていく。何人かに話しかけ、身分証か許可書らしきものを確認する。最後にバスの後方に座っていた私の所へきて手を差し出すので、わからぬままパスポートを見せた。パスポートの写真と私の顔を確認し、無事返却。無事、誰もバスから降ろされることなく出発となった。おそらくミャンマーからの麻薬密輸や不法入国者を取り締まるためだと思われる。
 警察官が乗り込んできたのは1度だけであるが、検問所が多く途中バスは何度か停止した。これがなければ30分位は早く着くのではないかとも感じたが、何よりパスポートをホテルへ置きっぱなしにせずホッとしたのであった。

 チェンライへ到着するとあたりは薄暗くなっていた。この日は歩き疲れたせいかすぐにシャワーを浴び、ナイトバザールの屋台で食事を済ませ、すぐに寝る。明日はバンコクへと戻り、日本へ帰国の途に着くこととなる。
⑭タイ6日目.その1
行きつけのマッサージ店  いよいよ帰国の日である。昨日は歩き回って疲れたせいか、遅めに起きる。シャワーを浴び、荷物をバッグへと詰め込み、ホテルを出発する。ホテルがチェンライ空港行きのシャトルバスを運行しているので、それを利用する。20分程でチェンライ空港へ到着。まだ出発時間まで1時間ほどあったので空港ロビーで時間をつぶす。
 1時間後、バンコクへ出発。行きはかなり込んでいたが、帰りはそれ程込んでなく、ゆっくりと寝ることができた。バンコクへ到着したのは2時すぎであった。

 帰国は深夜便(午後22:05発)のため、出発まで空港で時間をつぶすか、バンコク市内へ行くか、どちらにしようか考えていたのだが、結局、荷物を預け市内へ出ることにした。タクシーに乗り、お馴染みのタイ式マッサージへ行くことにした。バンコクへ来たときは、いつも決まったお店へ行くことにしている。写真がそのマッサージ店である。

 BTSのプロームポン駅からすぐのスクンビット,ソイ39にある「ワットポーマッサージスクール スクンビット校・直営店(写真)」である。スクールとなっているのは文字通りタイ式マッサージを学ぶことができる学校で、そこにマッサージサロンが併設されているのである。ちなみに日本人向けのスクールらしく、ここで本場の技術を学び、日本へ帰国後マッサージ店を経営している人も多いらしい。毎回私がそこへ行くのは、技術もさることながら予約がだいたい日本語で通じるからで、また日本人街にあるため、お客さんも日本人旅行者や在留日本人が多いのである。ちなみに衛星放送でずっとNHKが流れていた。
 昨日さんざん歩き回ったので、今回はフットマッサージをしてもらった。料金は1時間30分で400B+チップ100B(合計500B=約1600円 )ご参考までに、全身マッサージは1時間150B、2時間250Bである。日本の1/6〜1/8くらいの値段であろうか、格安である。初めてのバンコクでどこのマッサージに行こうか迷っている人は、ぜひおススメである。マッサージが終わって外に出るとすでに外は暗くなり始めていた。
⑮タイ6日目.その2
ヤワラー通りのチャイナタウン  マッサージをしてもらい、軽い足取りでBTSプロームポン駅へ。バンコク最後の日は美味しいものを食べようと思い、フカヒレに決めた。向う先はチャイナタウンである。隣駅のアソークで下車、地下鉄スクンビット駅から終点のファランポーン駅まで乗る。
今回、初めてタイの地下鉄に乗ることとなった。BTSのようなカードは日本でもお馴染みであるが、地下鉄は茶色いプラスチックのようなチップ?が切符の代わりになっていて、今まで聞いてはいたのだが、実物を見て改めて驚いた。車両はBTSとそっくりであった。
15分程でファランポーン駅へ到着し、チャイナタウンまで歩くことにしたのだが、これが結構遠く、せっかくマッサージしてもらったのに再び足が棒のようになる。チャイナタウン(ヤワラー通り)も端から端までは結構な距離がある。左の写真がヤワラー通り端から撮影したチャイナタウンである。

 しかし凄い活気である。すでに名物の金行(金を売買するお店)は閉まっているのだが、道の両側にはチャイナタウン独特のデカイ看板にネオンが眩しいくらいに光り、料理店や屋台、そして人と車がひっきりなしである。様々なおかず屋台に加え、中華街らしく天津甘栗の屋台も多かった。

 フカヒレを食べようと目当ての店を探す。別にわざわざチャイナタウンに来なくてもフカヒレならバンコクのどこでも食べれるのだが、やはり本場の中華街でと思い、わざわざ来たわけである。しかしお目当ての店が中々見つからない。結局、1往復しても見つからず、適当に他の店にしようかと歩いていると、ようやく見つけることができた。右下の写真がお目当ての店で、チャイナタウンの中程、フカヒレを食べたお店 和成豊酒家(=HUA SENG HONG:○球の歩き方にも載っている)というお店である。
 店内は盛況で、レストランというよりは食堂といった感がある、いわゆる地元のお店である。フカヒレスープ1人前300バーツ(約1000円)であった。日本ではいくらぐらいするのであろうか?因みに、私は日本ではフカヒレは一度も食べたことがないので、値段の比較ができないのだが、久しぶりのフカヒレは、実に美味しかった。
 タイでの最後の晩餐に満足し、店を出る。タクシーを拾って空港へと向かう。高速を走っていると、次々とバンコクのビル群と夜の灯りが流れていく。いよいよバンコクともお別れである。
⑯タイ6日目.その3
フレッシュジュース屋さん  ドンムアン空港へと到着する。預けていた荷物を受け取り、チェックインゲートへと向かう。帰りもシンガポール航空で、すでに何人かの日本人観光客がカウンターに列を作っている。毎回ここへ並ぶ時、何日かぶりに日本語を聞くため、「あぁ、日本へ帰るんだなあ」と改めて感じるのである。荷物を預け、チェックイン完了、続いて出国手続きを無事済ませる。

出発時刻までは1時間半程あり、待合エリアで時間を潰すことにする。幾つか土産を買い込み、待合エリア端ケンタッキー横のフレッシュジュース屋さんで、ドラゴンフルーツ・ジュースを購入。左写真はそのジュース屋さん。
最後にタイの味覚を味わいながら、出発ロビーへと向かう。出発ロビーは国際線の一番端にあるらしく、かなり遠かった。深夜便ということもあり、この時間に出発する飛行機は少ないのか、ロビーはこの便に乗る日本人だらけになっていた。周りでは日本語が飛び交い、すでに日本へとかえってきたような気分になる、と同時に安心したりもするのである。
買い付けてきた石20分後搭乗手続きが始まり、機内へと乗り込む。しばらくして飛行機は、一路日本へ向け出発。「微笑みの国タイ」ともしばらくお別れとなる。翌朝、飛行機は関西国際空港へと無事到着した。

写真は、今回買い付けてきた宝石の一部である。チャンタブリということもあり、レアストーンは少なく、トルマリン、ガーネット、クォーツ、ジルコン、トパーズ系などのごく一般的な石(因みにマーケットでは、ルビー、ブルーサファイア、レッド・スピネルなどの高価な石は、質の悪い石がほとんどである)が多いのだが、値段的には満足できる内容であった。
⑰番外編
鉱山の採掘現場  番外編ということで、以前に行ったチャンタブリ近郊の鉱山についてのお話。チャンタブリ中心部から車で東へ1時間ほどの鉱山である。チャンタブリ近郊の鉱山からの産出は、ほとんど枯渇した状態とはいえ、僅かではあるがサファイアなどが採れるそうである。

 写真右が鉱山での採掘の様子。色石の採掘といえばまだまだ手作業が多く、スリランカなどほとんど池や川に浸かりながら、ざるで土を洗うといった感じであるが、ここの場合は結構大規模である。 20〜30Mくらいの深さであろうか、パワーショベルが大きな穴の最低部に置かれ、土砂を掘り出している。

 写真でも解かるとおり、土はラテライト質のいわゆる赤土である。パワーショベルの位置より少し上にトロンメル(穴の開いた円筒形の装置)が設置されている。まず最初に、掘られた土砂(採掘物)がトロンメルへと投入される。穴の開いた円筒形の部分は回転しており、その中で採掘物がふるいにかけられ、所要の大きさの鉱石(土)が穴から外へ落ち分離される。選鉱作業の様子より分けられた土は、パイプで地表へと運ばれる。運ばれた土は、水と共に角度の着いた板の上を流される。ただの赤土は水と共に流れてしまうが、比重の重い原石類は流れることなく板の上に留まり、宝石として採集される。

 写真左の麦わら帽子のオジサンが、クワを手に黙々と作業していた。


  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス